雨は降る軒のしずくよ
灰色に染まる景色よ
片寄せる小鳥の影は
睦まじく羽根をついばむ
道ばたを満たすしずくは
川となり流れ行くだろ
身を寄せる傘の下には
雨にさえ笑う二人の
風を受け濡れた衣服も
束の間の余興みたいだ
我ひとり軒のしずくを
眺めては溜息まじり
交わし合う会話の理由
掛ける言葉ももはや無くした
魂を満たすしずくは
何一つ分からないまま
身を寄せる傘の下には
雨にさえ笑う二人の
交わし合う囁きさえも
私には余興みたいだ
我ひとり軒のしずくを
眺めては溜息まじり
本当の言葉隠して
重ね着の衣(ころも)が辛い
身を寄せる誰も分からず
偽りの言葉が辛い
雨は止まずに。
とももなくかなしみほうけてたちどまり
ろぼうのひとはふりむきもせず
・行の頭がすべて漢字である代わりに、短歌はすべて平仮名という、いわゆる「目の楽しみ」を少々織り込んでみる。
2008/6/11