雲はゆく見上げし空に
まだ知らぬ春の気配よ
軽やかな風のリズムよ
待ちわびる冬の向こうに
水面(みなも)には水草さえも
埋められた琥珀(こはく)みたいに
寂しげな想い伝えよ
ただ広く霜(しも)は積もるよ
今はただ眠る大地の
暖かな枯葉の中で
穏やかな春の気配を
うずくまり待つ者がいる
冬はゆく見上げし空に
柔らかく花を運べよ
清らかに想い届けよ
ただ白く雲は吹かれる
春を待ち祈るわたしの
柔らかく心膨らみ
朗らかに願い運べよ
名前さえ知らぬあなたに
いつか会えると
しょんぼりとしょげた手のひら頬にあて
しゃがんだ空にはふたすじの雲
そよ風よそよぎて吹けよわが胸に
若草たちの香りとどけよ
しゃぼんだま今日はまだまだ知らぬ人
まだ見ぬあした膨らませよう
春を待ち祈るわたしのこの指に
つながるあなた腕に抱(いだ)けよ
2008/6/7