[ふっとっちょうに捧ぐ]
ぼた餅もお萩もチョコも饅頭も
空に浮かべる綿菓子さえも
[磯野家に捧ぐ]
お魚を食わえたままの御姿(おんすがた)
追い掛けるのは角(かど)の主婦かな
[空き巣居士に捧ぐ]
秋過ぎし空き巣に飽いたる空き箱の
呆れし命の朝露に消え
[近寺の住職に捧ぐ]
お坊さんにょきりと出(い)でた墓のかげ
そのきらめきは御影石かも
[お家(うち)に捧ぐ]
とんとその昔々のそのむかし
そこにお家があったというよ
[ミジンコにあらず]
ぞうりむし精一杯のいのちさえ
生きるおもさはされど計れず
2008/8/29