祭囃子を眺める月よ

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祭囃子を眺める月よ

長歌

かあんかあんと鐘が鳴り
お祭り日和に笛の音が
甘い香りを奏でるよ
それは屋台の綿あめよ

からんころんと下駄の音
太鼓に釣られて踊り出す
泳ぐ金魚もすくわれて
次は隣りのぼんぼんか

僕ははぐれてべそかいて
おかあおかあと叫び出す
刺青さらしたおいちゃんの
怖い顔見て泣きだした

おいちゃん僕を肩ぐるま
おかあどこだと練り歩く
見つけ出された母の手で
わんわん泣いて笑われた

そこにがらんと迫り来る
台車みこしと人のうず
さらしを巻いたあねさんが
見下ろすみたい団扇振る

なみだ忘れてはしゃぎ出す
提灯つるした行列が
祭囃子にさそわれて
僕も釣られて踊り出す

そいやそいやと甲高く
みこしの頂き見上げれば
ぼんぼん見たいな満月が
食べ物みたいに浮かんでた
夏かぜ抜けるよ

反歌

あんず飴泣きべそかいた迷い子も
ふくめば母の甘きぬくもり

歳月は流れ去るもの子と妻と
今は向かうよ懐かし祭りに

提灯の照らす祭りのお囃子を
むかし見つけた月は眺むる

2008/7/19

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