夕飯の炊く頃の歌

[Topへ] [frameTopへ]

夕飯(ゆうはん)の炊く頃の歌

稲の穂の黄金(こがね)に映える夕暮れの
あかね色すじ雲を行(ゆ)く赤とんぼ
舞い踊り群れなすままに西の空
風はこぶ一番星は揺れている

指さしたあの子の名前呼んでいる
母親の影はかなたに浮かぶ頃
友達もぽつりぽつりと家路への
あたたかな腕に引かれて行(ゆ)くのだろ

まだ見えぬ寂しさだけを抱(いだ)きつつ
皆消えて響き渡るよ鈴虫(すずむし)が
日暮れまで戻らぬ親は恨めしく
だからこそ呼ぶその声が愛おしい

星はまたきらきら雲の合間から
赤とんぼ吸い込むようにまたたいて
振り向けば遠く手を振る影法師
嬉しくて泣きたいくらい駆けだした
そのふところへ

短歌

一菜のご飯の味も愛おしく
色を忘れた夕べの景色

2008/6/20

[上層へ] [Topへ]