そろそろ12月の足音が、どさんどさんと鳴り響いて来るこの頃。何だか分らないうちに冬に突入してしまった気がする。家のポストには一枚のビラが入っていた。
「言葉を捨てないでください。現在1日1億あまりの言葉が、人々の心の中から捨て去られています。捨てられた言葉は、一定期間保語所で預かっても引き取り手がいない場合は、焼却処分されてしまいます。言葉に罪はありません、一人ひとりがもう少し言葉を注意して話していれば、数々の尊い言葉はなくならずに済んだのです。どうか言葉を捨てないで下さい。どうか言葉を殺さないで下さい。無くした数だけあなたの会話は狭くなってしまうのです。沢山の人達の会話が少しずつ狭まって、一日一歩ずつ、豊かな社会が消えていくのなら、言葉はあなただけのものではありません。」
私はそのビラを破って棄てた。冬の寒さが身に染みたからである。
作成時2003/11/25
2007/3/13改訂