ほんの少しが僕には遠くて
爪先立って手を伸ばしても
指先わずかに届かない
疲れて面倒になっては
うずくまって楽をして
いつか歩くことさえ忘れた
コタツで丸くなって
甘いみかんをむきながら
時々忘れていたように
秒針に耳を傾ける
見つめる時計の針がまた進む
今では心もすっかり擦れて
はっと思うことも減った
心の動きはもう鈍くて
またみかんに手を伸ばす
今年も12月が少しずつ
足音しのばせ近づいて
やがて年変わりの鐘がなれば
久しぶりにはっと顔を上げては
しばらく天井を仰ぎ考え込む
でもきっとまた目の前の快楽
暖かいコタツから出るのは嫌で
美味しそうなみかんに手を伸ばす
時計の針が同じように回って
あなたの生活の同じように回って
いつか電池が止まるまで続いていく
思いがあふれ行為がなされなければ
僕たちはただそれだけのものだから
作成時2004/1/20