黒く正装をしたのっぽの椅子達がそっと
コーヒーを揺らしながら座る人影ももうまばら
帰り支度を忘れたたばこの煙が遠くに映る
窓の外にはすっかり暗くなった町の灯りに
見つめる自分のシルエットが静かに写る
誰も気付かないこっそり手を振れば
窓に映った自分の影が呆れて笑っている
ミルクの足りないコーヒーの香りを楽しみながら
ぼんやりと眺めるヘッドライトの流れに
瞳を移せばほっそりとした三日月がそっと
夜を迎える町並みを見下ろしている
このあたりはまぶしくて
秋の星達の淡い瞬きなど
知りもしないで夜が更けていくのだろう
でも騒がしく流れる人々や車達の通りにも
秋の虫達の歌声がいつの間にか
小さな合奏を奏でている
あの三日月が丸くなる頃には
小さな草むらの空き地では
コンサートが繰り広げられるだろう
むしり取られたススキの残りが揺れて
町の明かりを越えてきっと
青い月の光がその小さな会場まで射し込んで
それに答えて涼しい風が
枯れた草原を揺らしてかさかさと
小さな拍手を楽団に送るだろう
忘れかけたコーヒーを飲みほして
あの人の流れの中に紛れ込もう
時々聞こえてくる合奏に耳を傾けながら
涼しくなった街中を過ぎていく
残念だけど自分にはこんな
たわいもない言葉しか残せない
思いだけが波のように寄せては
掴み取る前に泡と消える
作りかけた小さな言葉の山も
さらわれて形を崩す
黒く正装をしたのっぽの椅子達がそっと
コーヒーを揺らしながら座る人影ももうまばら
帰り支度を忘れたたばこの煙が遠くに映る
窓の外にはすっかり暗くなった町の灯りに
見つめる自分のシルエットが静かに写る
誰も気付かないこっそり手を振れば
窓に映った自分の影が呆れて笑っている
残念だけど自分にはこんな
たわいもない言葉しか残せない
思いだけが波のように寄せては
掴み取る前に泡と消える
作りかけた小さな言葉の山も
さらわれて形を崩す
ミルクの足りないコーヒーの香りを楽しみながら
ぼんやりと眺めるヘッドライトの流れに
瞳を移せばほっそりとした三日月がそっと
夜を迎える町並みを見下ろしている
このあたりはまぶしくて
秋の星達の淡い瞬きなど
知りもしないで夜が更けていくのだろう
でも騒がしく流れる人々や車達の通りにも
秋の虫達の歌声がいつの間にか
小さな合奏を奏でている
あの三日月が丸くなる頃には
小さな草むらの空き地では
コンサートが繰り広げられるだろう
むしり取られたススキの残りが揺れて
町の明かりを越えてきっと
青い月の光がその小さな会場まで射し込んで
それに答えて涼しい風が
枯れた草原を揺らしてかさかさと
小さな拍手を楽団に送るだろう
夢も希望も忘れた目的のない
くだらない言葉をつぎはぎしながら
気持ちだけが時々溢れては
掴み取る前に泡と消える
わずかに浮かんだ小さな思いも
はじけて影をなくす
作成時2003/9/6