・私はそんな過ちはたぶん、いや、決してビールに限っては、おかさないんだが、実家に帰ると時々起きる現象なので、備忘のために書いておく。まずはネット上で検索して、幾つかの例をあげておく。
1.
・濡れたタオルにくるんで扇風機の強風に晒すと、気化熱により温度が下がる。これはタオルの水分が液体から空気中に気体として出て行く時に熱を奪うというもので、つまり液体が気体になるためにエネルギーが必要なため、隣接しているものから熱を奪うことを利用している。そもそも冷蔵庫自体が冷蔵庫の内側と外側を交互に巡る物質の圧力を変えることによって、気体と液体を交替させ、液体が気体になる時に熱を奪い取る作用を利用している。
2.
・濡れたタオルにくるんだまま冷蔵庫に入れておくと、5分ぐらいでまあまあ冷えるとか、別のところでは15分で飲み頃とか。これは冷蔵庫の温度とビールの温度の熱交換に、タオルの水分蒸発の気化熱が加わってビールを冷やすというやり方だ。
3.
・上の切実なるバリエーションで、濡れたタオルにくるんで冷凍庫に入れておく。冷凍庫の強力な冷却パワーに頼る方針で、5,6分で十分冷えるとか。別のところでは約20分でOKと書いてあった。Aの例でもそうだが、時間がまちまちなのは、冷え頃の好みなのか、はたまた冷凍庫の性能なのか。冷凍庫は忘れたままになると、破裂するからタイマーを付けましょう。興味のある人は、冷えていないビールを2本、濡れタオルにくるんで、冷凍庫と冷蔵庫に入れて、実験してみた方がよさそうですね。これを夏休みの研究にして、学校に持って行って、「冷凍庫の方が喉にぐっと来ました」なんて、小学生の頃から答えるような、強者は・・・。
4.
・ボールなり洗面器なりペットボトルを半分切ったものなり、缶ビールが十分入るぐらいのなんらかの容器に、氷をごろごろと入れまして、それに塩をふりかけ、そこに缶ビールを入れて、氷を滑らせるように缶をぐるぐると回し続ける。2分もやると、かなり冷えている。1分で十分という意見もあるし、3分で完璧という意見もあるが、少量(自分用に1本から、家族や知人のために2,3本急いで必要といった場合)なら、たいした手間ではない。全力で汗をかきながらぐるぐる回す必要はない。
・これは純粋に温度差のある2つのものが熱交換によって同じ温度になろうとする性質を利用した、非常に率直な遣り方だ。いわば武士(もののふ)の遣り方だ。(なんだそりゃ。)しかも、静かに氷の上に置いておくと、氷の温度領域とビールの温度領域の間に熱境界層というものが出来て、熱変換が緩やかにしか進行しないのだが、回転させることによって、この層がなくなり直接的に2つの温度差を解消する熱エネルギーの移動が行なわれるのだそうである。
・さらに氷に塩をかけると、もはや武士道は通用しない。その場所の氷の融点が下がり(食塩水の方が普通の水よりも低い温度で氷になる)、したがって氷が「おや、しまった、融点より高いじゃねえか」と、慌てて液体になろうとする、すると例の気化熱と一緒で、液体化するためのエネルギーを接触している缶ビールから奪い取る作用が起きる。つまり缶ビールは熱交換と液化熱の複合技で素早く冷却され、氷はどしどしエネルギーを得て水になっていくのだそうだ。
一番下の例、氷の上でビールを回す遣り方を試してみたのですが、塩もなく2分にも満たなかったにもかかわらず、驚くほどビールが冷えていたので、最速でビールを飲み頃にするためには、[4]を実行するのが良いでしょう。理論よりは、結果が大切さ。今度は塩をかけてためしてみます。風呂上がりに一杯ぐらい時間があるなら、冷蔵庫に濡れタオルビールを入れておけば、十分飲み頃とどこぞに書いてあったので、これも今度試してみましょう。結論としては、氷があれば[4]、なければ他の手段をということです。塩はなくても十分な効果があります。
2007/4/10